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和紅茶には、「地紅茶」や「国産紅茶」など様々な呼称が存在し、【広い意味での定義】については、「日本国内で栽培・製造された紅茶の総称」という説明が、一般的に広く流布しています。緑茶を含むお茶作りについて、日本はとても長い歴史があり、日本で作られた品種を用いて、日本の気候・風土で栽培された「和紅茶」は、海外産の紅茶とは異なった独自の風味と魅力を備えています。
海外産と異なる和紅茶の魅力は、「バラエティの豊富さ」と「生産者との距離が近く、生産現場を直接見られること」、といえます。日本には、2019年度時点で、119種もの茶の登録品種があり、南北に長い日本では、様々な気候下の異なった環境で紅茶を栽培することができ、その結果生まれる紅茶の香味は千差万別で、世界でも稀にみる豊富なバラエティを備えています。また、生産者との距離も近く、都心から数時間で、茶の生産現場を直接見ることができます。これは、海外に置き換えてみれば決して容易なことではなく、生産者と直接会話を通して情報交換ができる環境が備わっているのは、トレーサビリティ・システムによって生産者情報が重視される現代においては、和紅茶の大きな強みであると言えます。
国内生産においても、現在は茶の取引価格の下落により、耕作放棄される茶園が増加しており、その歯止めとしても和紅茶は注目されています。実際に、紅茶生産による茶園再生事業の実例も報告されています。また、紅茶の取引価格は緑茶と比べて高く、紅茶農家へ転身する茶園も年々増え続けており、国内の紅茶生産量も伸び続けています。そうした意味で、日本ではまだまだ和紅茶を販売する「事業者」が足りていない状況があり、和紅茶の販売は、国内茶業の維持・発展に寄与し、需要を喚起し、茶生産農家への利益貢献を通した、一連の価値を見出すことができる、といえます。