【公認会計士試験合格後】　

経歴の通り、税務を中心に実務経験を積んできた珍しい公認会計士であると思います。本来であれば、公認会計士試験合格後は監査法人に勤務するのが一般的なのですが、合格当時は監査法人就職難で監査法人を何十社も受けましたが、結局監査法人に入所することはできませんでした。もともと直接お客様を担当でき、色々なアドバイスができるという税理士業務には興味があったため、税理士事務所に勤務することにしました。

【税理士事務所勤務～平成23年から平成25年～】

大手税理士事務所に2社勤務しましたが、いずれも相続税の申告業務と個人の資産家のコンサルティングが中心でした。この頃に書籍の執筆もしましたし、相続税や資産家のコンサルティングに集中して実務を積めたことが現在の強みになっています。法人といえど、結局、社長や役員、株主の資産のコンサルティングは必要になるため、この経験は後に生きてくることになりました。

【税理士事務所勤務～平成26年から平成29年～】

相続税や個人の税務に飽きていた頃、福岡で法人コンサルティングをメインとした業務ができるという話があり福岡へ異動することになりました。福岡では、法人顧問を中心として、事業承継の提案、M&Aのファイナンシャルアドバイス、事業再生など、多くの経験を積むことができました。ここで、今まで経験してきた相続税などの個人のお客様へのコンサルティングと、福岡で経験した法人のコンサルティングの経験が合わさり、法人のアドバイスをしながら社長の個人財産のコンサルティングをしたり、逆に個人のお客様のアドバイスの中で法人を設立したりと、提案の引き出しが大幅に増えました。営業すれば契約もどんどん取れる。セミナーの講師をすれば、お客様から依頼をもらえる。仕事が楽しく、自分のスキルに強い自信を持つようになっていきました。

【独立開業を決意】

福岡で自信をつけてはいましたが、当初開業するということは考えていませんでした。ただ、多くのお客様から下記のように言われるようになり、それが開業を決意するきっかけとなったのです。

「阿部さんと契約したのに、毎月来る人はなぜ阿部さんじゃないのか。」

「顧問料を上げてもいいから、阿部さんにアドバイスをもらいたい。」

当時、私は営業が中心で、作業ベースでは事業承継やM&A等の大規模なコンサルティング業務をメインにしていて小規模な顧問先については別の職員に担当をお願いしていました。体は一つであるため、全てを私が担当することはできません。上記言葉は大変嬉しかったですし、自信になりましたが、お客様も多く抱えていたので自分が対応してあげれない現実が歯がゆかったです。とても悲しい気持ちになりました。

私はこう思うようになりました。看板税理士は契約の時や決算前の時だけ来る、申告書のチェックだけし、通常業務は他の職員に任せるという会計事務所によくある経営方法ではお客様に良いサービスは提供できない。

そこで、契約を頂いたお客様については、原則として全て私が担当する、対応する、こんな事務所を作りたい。この思いから開業することを決意しました。今後当事務所と契約を締結するお客様にはそれをお約束し、さらなるスキルアップと健康維持に努めたいと考えています。